特別なことが何もなくても神さまにご挨拶に行きなさい。
これは私が幼い頃、いつも母が言っていた言葉です。
わが家の隣に神社があったこともあり、母からは実際、毎日のように「今日は神さまにご挨拶してきたの?」と言われていました。
「昨日行ったもん」と言うと、「今日、ママに『おはよう』と言ったら、明日は言わないの?」と聞かれ、「そうか、挨拶なんだから、毎日するものなんだな」と納得したことを今でも覚えています。
また、「神さまとお話していらっしゃい」と、言われたこともありました。
「何をお話するの?」と聞くと、「ママやお友達とお話するように。そうね。。。
たとえば、今日みたいに雪が降っている日なら、『今日はお寒くはないですか?』
って聞いてみたら?」と話してくれました。
母の話に「なるほど!」と思った私は、カイロを袋から出してタオルにくるんで神社に行き、拝殿にそ~っと置いて、「お寒くはないですか?これ温かいですから、手をあててみてね」と、ニコニコしながらお話していました。
私が小学校に入りたての頃の話です。
11歳になったとき、氏神神社を守る家系であったこともあり、めでたく巫女デビューをさせて頂きました。
今でも巫女研修に行った日のことや、はじめて巫女装束に袖を通した、スルスル~としたあの感触を忘れることはできません。
鈴の音の一振り一振りにも、参拝のお作法一つ一つにも意味があり、境内の建物、文様の一つに至るまで、そこには、古来より日本人が大切にしてきた「神さまへの感謝の気持ちと歴史」が込められており、
「すべては神さまのためにあるもの」と教わったこと。
「神さまにわたしたちの心が通じる。それは、神さまに『心』を合わせたときであること」。
そんな深くて温かくて、言葉では到底、説明できない「何かとても偉大なもの」が何かを知り、感じることができたとき、神さまの世界に少し近づける気がしています。
しかし、残念なことに、現代ではこれらの素晴らしい日本人の叡智を学校では教えてくれません。そして、これらを知っている大人もまた同様に、絶滅の危機にあると感じています。
世界に数百もある国の中で、神社があるのは日本だけです!
神社は日本にしかないのです!
この日本文化の一つとしての「神社」を、
三世代先の子供たちが、海外の人たちにきちんと説明できる
そんな日本人が一人でも増えたらないいな、という思いで本書を書かせて頂きました。
一見、堅苦しいように感じる「お作法」や「神社の歴史」を知っていただくことで、
より神さまの「ご神徳」も頂けると確信しています。いえ、むしろ知らずに参拝するのは、非常にもったいないことなのです。
これからの次世代神社ガールやボーイを育てるとともに、皆さまが神社に参拝されたとき、神さまとの「心の距離」が今まで以上に近づき、尊い"ご神徳"をさらにいただきやすくなり、
あなたらしく、明るく楽しく笑顔で「開運」していく。
この本が、そんな一助となれば幸いです。